東証プライム市場に上場し、物流・ホテルを中心に複数の事業領域を急速に拡大している霞ヶ関キャピタル株式会社。組織の急拡大にともない労務業務が複雑化する一方で、社内チームの実務経験は十分とは言えない状況にありました。
そんな中でWHOMに依頼をいただき、正確な給与計算の実務を担いながら、属人化していた業務フローの仕組み化を推進。
今回は、人事労務をご担当される青木氏、椎名氏に、支援の背景から成果の詳細までを詳しく伺いました。
霞ヶ関キャピタル株式会社 公式サイト:https://kasumigaseki.co.jp
▼本件の担当リクルーター
株式会社WHOM:中嶋
WHOM所属リクルーター:石井さん
支援内容:労務領域の実務支援(主に給与計算、およびそれに付随する業務改善)

青木氏(写真左)
新卒で日系航空会社へ入社後、約20年間に亘り人事・労務部門を中心に従事し、日系コンサル会社を経て2025年に霞ヶ関キャピタル株式会社に入社 。現在は人材戦略本部人事部副部長として部内全般のマネジメント業務に従事している。
椎名氏(写真右)
看護師として約5年半臨床を経験した後、霞ヶ関キャピタル株式会社に入社し、産業保健業務に従事。休職者対応をする中で社内制度や手当等の人事領域に興味を持ち始め、現在では、産業保健、給与、入退職対応、福利厚生制度等を担当している。
目次
労務体制の課題と、外部支援導入の背景
ー外部に労務業務の支援を依頼しようと思われたきっかけや、当時の課題感を教えてください。
椎名:実務経験者が少ないチーム体制のまま給与業務を担うことになり、正確性の面で不安を抱えていたことが、外部への支援を依頼した直接のきっかけです。もともと給与を担当していたメンバーが休職することになり、私が「やりたい」と手を挙げ、給与業務を引き継ぐことになりました。当社にはこうした声を積極的に後押ししてくれるカルチャーがあり、私自身もその環境の中でチャレンジさせてもらったという経緯です。
あわせて、給与体系そのものが複雑でイレギュラーな部分も多く、システムだけでなくExcelでの人の手によるチェックに頼らざるを得ない場面もありました。正確性や効率をさらに高めたいという思いから、給与実務の経験がある方に入っていただき、人員面の補完だけでなく業務改善も一緒に進めていただきたいと考え、今回のご依頼に至りました。
ーWHOMにご依頼いただくにあたって、期待されていた点はどのようなことでしょうか?
椎名:単純な人員不足の解消だけでなく、給与フロー全体の見直しと正確性の向上を期待していました。引き継ぎを受けた際、業務がかなり属人的になっており、そもそものフローが十分に整備されていない状態だったためです。効率化や精度向上まで一緒に取り組んでいただける方だと嬉しいと考えており、チーム全体のレベルアップも期待していたポイントです。
WHOMを選んだ理由と、支援開始までの流れ
ーWHOMをお知りになったきっかけや、他の手段との比較について教えてください。
椎名:代表からのご紹介と、対応の速さが、WHOMをお願いする決め手になりました。
採用による人員補充も検討していましたが、条件にマッチする方に出会うにはどうしても時間がかかります。休職の開始時期が決まっている中で、早いタイミングで実務者層を補充したいと考えていたところ、代表からのご紹介でWHOMの支援を知りました。
石井さんのご経験を伺う中で「この方であれば」と思えたことに加え、2週間ほどでご支援いただける流れとなったため、すぐにお願いすることを決めました。
ー支援はどのように始まり、どのように進めていきましたか?
椎名:支援開始から1〜2ヶ月ほどで引き継ぎを終え、現在はほぼ自走していただける体制になっています。支援開始当初は給与業務がすでに稼働している状態だったため、まず現状のフローとデータのやり取りを見ていただくところから始めました。あわせて給与規定や手当の内容など、当社の給与制度を認識していただき、実際のデータを見ながら引き継ぎを行いました。
現在はすべての業務をお任せするのではなく、役割を分担して進めています。休職・退職・復職や海外赴任といった人の異動にともなう給与変動は、社内の人間でなければ気づきにくい部分があるため、その確認は私が担当し、各項目の数値が正しいかどうかの確認をお願いするという分担体制です。この体制を敷いてから半年ほどが経ち、目指していた形にかなり近づいてきました。

支援体制と、業務改善の実際
ー実際に、リクルーターはどのような役割・立ち位置で関わっていますか?
椎名:サポートしていただいているというよりも、「部の一員」になっていただいている感覚に近いです。時間がかかっている業務やリスクが高いと思う部分について、対等な目線で意見を交換できる、良いパートナーだと思っています。
青木:私たちとしても一線を引いているつもりはなく、石井さんも同様だと思います。人事の中でも給与に特化した業務であり、社員の名前や異動状況が分からない中でフォローいただく難しさはあると思いますが、「ここからここまでしかお願いしない」といった線引きはしておらず、ほぼ社員のような形で業務に入っていただいています。
ー属人化していた業務や非効率だったフローは、どのように整理・改善されていきましたか?
椎名:BPO先との計算ロジックの認識合わせと、確認用データの一元化によって、フローが大きく整いました。まず大きかったのは、給与計算を委託しているBPO先が「どのように計算を回しているか」「どこが手入力になっているか」という認識を、石井さんと一緒に合わせられたことです。それまでは前任者しか把握しておらず、どこにリスクが潜んでいるのかも分からない状態でした。計算の仕組みを正しく認識できたことで、重点的に確認すべきポイントが明確になりました。
もう一つは、確認用のデータが人事システムや社内共有ボックスのPDFなど複数箇所に散らばっており、その都度ファイルを開いて確認する必要があったことです。石井さんと相談しながら確認用データを一括で集約する仕組みを整え、納品データと突き合わせるだけで確認が完結する状態にできました。これにより確実性と効率性の両方が向上し、フローが整ったと実感しています。
ー支援メンバーが入ったことで、社内メンバーの意識や動き方に変化はありましたか?
椎名:他社での実務経験を踏まえて、「一般的にはこういうやり方の方が効率的なのではないか」といった意見をいただけるようになりました。長年同じやり方をしていると、それが最適かどうかに疑問を持たないまま業務を続けてしまうことがあります。社内の人間ではないからこそ得られる客観的な視点が、業務改善のきっかけになっていると感じています。
青木:外部の視点だからこそ率直な意見をいただけて、それが「たしかにここは見直した方がいいですね」という気づきにつながっています。いろいろな会社のやり方を知っているからこそ得られる視点として、プラスに捉えています。

半年間で実現した成果
ー支援開始前後で、業務時間や効率面での変化はありましたか?
椎名:支援開始後、私たち自身の業務時間が削減されました。小さな業務改善の積み重ねが、着実に工数の削減につながっているなと思います。
人事情報システムの活用方法についても、給与業務に反映しやすい申請フォームの提案など、具体的な改善に取り組んでいただきました。給与業務そのものを担っていただいていることに加え、こうした改善によって、私自身が他の業務に充てられる時間が増えています。
仮にこの業務量をすべて自分だけで担おうとすると、経験が浅い分さらに時間がかかっていたはずなので、削減効果はかなり大きいと考えています。
ー削減できた時間で、どのような取り組みに着手できましたか?
椎名:これまで日々の業務に追われ、なかなか着手できずにいた「社員のための施策」に時間を充てられるようになったことが大きな変化です。福利厚生制度を、より従業員のニーズに合った形へと見直すことができ、例えばホテル部と連携して宿泊補助プランの運用を改善したところ、利用率が大きく向上しました。
また、健康経営にも初めて取り組み、認定の取得にもつながりました。健康診断についても、受診率向上に向けて内容や運用を見直すなど、従業員がより利用しやすい制度への改善を進めています。問い合わせ対応についても、これまで都度口頭で対応していた内容をマニュアル化し、従業員にとっての分かりやすさと、人事側の工数削減の両立も実現できています。
青木:石井さんには一定の契約時間でご支援いただいていますが、実際にはその時間の枠を超えるところまで価値を発揮していただいていると感じています。石井さんが給与業務のフローや人事部内の業務改善を担ってくださったからこそ、私たちは制度の見直しや工数削減の取り組みに時間を充てることができました。
WHOMならではの特徴
ー支援をご活用いただき、特に良かったと感じるポイントを教えてください。
椎名:単なる人員補充ではなく、人事部としての業務改善を一緒に担ってくれている点が、特に良かったです。小さな改善の積み重ねによってフローが着実に整ってきており、心理的な負担も大きく軽減されました。困ったときにすぐ相談できる存在として、まさに「良きパートナー」が来てくれたという感覚です。
同じ実務を担当しているからこそ、「ここが大変ですよね」といった共感を持った意見交換ができる点も、コンサルティングとは異なる関係性です。
青木:「パートナー」という表現は、まさにその通りだと思います。実務に近い立場だからこそのやり取りができており、二人の関係性があってこそ実現できていることだと感じています。

今後目指す体制と、業務委託という選択
ー今後、労務チームとしてどのような体制を目指していきたいですか?
椎名:属人化を解消し、誰が担当しても同じ品質を保てる状態にすることが、今後目指す体制です。現状も、休職・復職対応など私だけが把握している業務が多く、属人化しているという課題感は変わっていません。それを仕組み化しつつ、効率性と正確性の両方を高めていきたいと考えています。改善活動は現在も継続しており、引き続き石井さんと意見交換をしながら進めていきたいと思います。
ー数ある手段の中でも、業務委託という形を選んで良かったと感じる点はどのようなところでしょうか?
椎名:労務領域における業務委託は珍しいケースかもしれませんが、ピンポイントで不足している専門性を補える点は業務委託ならではの強みだと思います。
青木:労務経験者の採用は、母集団形成の段階から難しさがあり、スキルや経験、カルチャーフィットまで見ていくとどうしても選考が絞られてしまいます。
また、採用の場合は入社後のミスマッチに対応しづらい難しさがありますが、業務委託であればその点の柔軟性もあります。今回は石井さんをご紹介いただき、事前のヒアリングも含めて一人目から非常にマッチした形でご支援いただけたことは、大変ありがたく思っています。
