「面接」と「面談」という言葉は、採用現場で頻繁に使われますが、その意味や目的については混同されることが少なくありません。特に採用の場面や社内の人材育成の過程では、これらの用語の違いを明確に理解し、適切に使い分けることが求められます。このコラム記事では、採用担当者や事業部のハイアリングマネージャーを対象に、「面接」と「面談」の違いとそれぞれの役割について、詳細に解説していきます。
「面接」の定義と目的
面接は、主に採用プロセスにおいて応募者の適性や能力を「評価する」ために行われる手法です。一般的に、企業が新しい従業員を採用する際に複数回行われることが多く、応募者がその職務に適しているかを判断するための重要なステップとなります。
面接の主な目的は以下の通りです。
①応募者のスキルと知識の評価
面接官は、応募者がそのポジションに必要なスキルと知識を持っているかを確認します。特にエンジニアなどの技術職や専門職では、専門知識や技術的なスキルを深く掘り下げる質問や、場合によってはケーススタディが実施されます。
②経験と実績の確認
過去の職務経験やプロジェクトの内容、実績について詳細に聞かれます。これにより、応募者がこれまでどのような環境でどのような成果を上げてきたかが評価されます。
③カルチャーマッチの判断
応募者が企業文化に適合するかどうかも重要な要素です。面接を通じて、応募者の価値観や仕事に対する姿勢が企業の文化と一致しているかを判断します。
面接は通常、構造化された形式で行われます。これにより、すべての応募者に対して公平な基準で評価が行われることが保証されます。例えば、同じ質問が全応募者に対して投げかけられ、その回答内容を基に評価が行われます。このように、面接は一定の型が企業内に存在しており、評価基準も明確に定められているのが特徴です。
「面談」の定義と目的
面談は、採用プロセスだけでなく、社内外でのコミュニケーションや関係構築を目的としたカジュアルな会話の場です。面談は、柔軟で自由な形式が特徴であり、通常は評価を目的としたものではなく、情報交換や意見交換を通じて「信頼関係を築く」ことを重視します。
面談の主な目的は以下の通りです。
①応募者の動機や希望の確認
面談では、応募者がなぜその企業やポジションに興味を持っているのか、また将来のキャリアについてどのように考えているのかを確認することが主な目的です。あくまで選考としてではない形で、応募者の意欲や適合性をより深く理解することができます。
②双方向のコミュニケーション
面談では、採用担当者が応募者からの質問に答えたり、企業のビジョンやチームの雰囲気について説明することも重要です。企業のスタンスとしては、見極めるのではなく、口説くスタンスが求められます。一方で、あくまで選考ではないものの、応募者が企業文化に適応できるかを判断する手がかりにもなります。
③柔軟な形式
面談は、応募者のバックグラウンドや職務経験に基づいて話題を調整していきます。一定の構図化がなされる面接よりリラックスした雰囲気で行われることが多いです。この柔軟性は、応募者が本質的な姿を理解するために必要不可欠です。
面談の形式は、面接とは異なり、非常に柔軟です。事前に決められた質問や評価基準を決めつけすぎず、話し合いの内容はその場の状況や参加者のニーズに応じて変化させていきます。一方で目的なく実施するのではなく、応募者の人間性やカルチャーマッチを理解する、また志望の意向度を向上させるプロセスであり、選考の一部として重要な役割を果たします。
面接と面談の具体的な違い
採用現場における面接と面談の違いを整理すると、以下のポイントが挙げられます。
①コミュニケーションのスタイル
面接では、応募者が採用担当者の質問に答える一方向のコミュニケーションが中心です。しかし、面談では双方向のコミュニケーションが重視され、応募者と採用担当者が互いに意見を交換します。
②目的の違い
面接は応募者のスキルや経験を評価するためのプロセスであり、採用の意思決定を下すために行われます。一方、面談は応募者との相互理解を深めることで、カルチャーフィットの確認や志望度を向上させるためのより柔軟なプロセスです。
③構造化の度合い
面接は構造化されており、事前に設定された質問や評価基準に基づいて行われます。対して、面談は形式が柔軟であり、話題や進行が応募者の状況に応じて変わります。
面接を実施するときの進め方
面接を実施するときの基本的な進め方は、以下の通りです。
1. アイスブレイク
面接の冒頭では、応募者の緊張を和らげるためにアイスブレイクを行います。これは、応募者がリラックスした状態で面接に臨めるようにするために重要です。緊張したままだと、応募者が本来の能力や性格を十分に発揮できない可能性があり、適性の正確な判断が難しくなることがあります。
2. 会社や求人の説明
次に、会社の概要や応募者が興味を持っている求人ポジションの詳細を説明します。これにより、応募者が会社やポジションについての理解を深め、自身がその環境に適合するかどうかを再確認する機会を提供します。
3. 応募者の自己PR
応募者には、自己紹介やこれまでの経験、スキルについてアピールしてもらいます。これは、応募者が自身の強みをどのように捉えているか、またそれが求人ポジションにどのように貢献できるかを把握するための重要なステップです。
4. 面接官からの質疑応答
面接官は、応募者のスキルや経験、適性を多角的に評価するための質問を行います。ここでは、業務に関連する具体的なスキルや資格に関する質問に加え、応募者の性格や価値観を見極めるための質問をすることが重要です。これにより、応募者がチームや企業文化にどれだけ適合するかを判断できます。
5. 応募者からの質疑応答
応募者にも質問の機会を提供し、会社やポジションに対する不明点や関心事について確認してもらいます。これにより、応募者が自分のキャリア目標や価値観に合致するかをより明確に理解することができます。
6. クロージング
最後に、面接を締めくくる際には、今後のプロセスや連絡方法について説明し、応募者に感謝の意を伝えます。応募者にとっても、面接官にとっても、明確でポジティブな終わり方が次のステップへとスムーズに進むために重要です。
面接を実施するときの進め方
面談を実施する際の基本的な進め方は、以下の通りです。
1. アイスブレイク
面談の始まりにアイスブレイクを行い、応募者との緊張をほぐします。特に面談では、面接ではない旨、選考を目的とするものではない旨を言葉にして伝えましょう。
2. 会社やポジションについての説明
次に、会社のビジョンやチームの雰囲気、ポジションの詳細について説明します。この段階で、応募者に企業のカルチャーや期待する役割について具体的に伝え、応募者が自分と企業とのフィット感を確認できるようにします。
3. 応募者の背景や動機の確認
応募者に自己紹介やこれまでの経験、キャリアの動機について話してもらいます。ここで志望動機を聞くことのないように注意しましょう。これにより、応募者の価値観やキャリアビジョンを理解し、どのように企業やポジションに対する関心を持っているのかを確認します。
4. 双方向の質疑応答
面談では、応募者が企業についての質問をする機会を設けることが重要です。また、面接官も応募者の価値観や動機について掘り下げる質問を行い、応募者がチームや企業文化にどれだけ適合するかを確認します。この双方向のコミュニケーションにより、応募者の考えや期待をより正確に把握できます。
5. 今後のプロセスと次のステップの説明
面談の最後には、今後の選考プロセスや次のステップについて説明します。応募者に対して明確なスケジュールと期待することを伝えることで、彼らがプロセスを理解し、適切に準備を進めることができるようにします。特に口説きたい候補者や選考に進んで欲しい候補者には、次回の面接日程調整をするのも有効です。
6. クロージング
面談を締めくくる際には、応募者に感謝の意を示し、面談の印象を良くするためのフォローアップを行います。応募者が企業に対して前向きな印象を持ち、興味を持ち続けることが重要です。
面談は、応募者とのコミュニケーションを深め、企業との相互理解を図るための場です。適切なアイスブレイクと双方向の質疑応答を通じて、応募者と企業双方のニーズと期待を明確にすることが、面談を成功に導くための鍵となります。
カジュアル面談の効率的な進め方と導入のメリットについてはYoutubeでも解説しておりますので、是非よろしければ、併せてご参照ください。
まとめ
「面接」と「面談」は、どちらも採用現場で重要な役割を果たしていますが、その目的や形式は大きく異なります。面接は応募者のスキルや経験を評価するための「見極めの場」であり、面談はコミュニケーションや信頼関係を築くための「相互理解・口説きの場」です。採用担当者やハイアリングマネージャーは、これらの違いを理解し、また応募者との認識も揃えた上で、状況に応じて適切に使い分けましょう。
