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2023年11月30日 コラム
この記事の監修者:株式会社WHOM 編集部

ダイレクトリクルーティングとは?媒体の選び方や利用するポイントを解説

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近年、採用手法の一つとして注目されているのはダイレクトリクルーティングです。

取り入れている企業も年々増加していますが「そもそもどのような採用手法なのかわからない」「どのように利用したらいいかわからない」と悩んでいる採用担当者も多いでしょう。

そこで本記事では、

  • ダイレクトリクルーティングの仕組み
  • ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット
  • ダイレクトリクルーティングの始め方と媒体の選び方

について解説していきます。ダイレクトリクルーティングを取り入れようと思っている人事や採用担当者は、ぜひ参考にしてください。

■ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングは、採用企業が求職者に対して直接アプローチする採用手法を指します。

従来の採用手法は、求人媒体に掲載した後は応募が来るまで「待つ」しかなかったのに対し、企業が主動的に求職者を探してアプローチをする「攻め」の採用手法です。

ダイレクトリクルーティング手法の特徴は、企業が求める人材に直接アプローチできるため、候補者の質が高い点です。より効果的な採用を実現できるので、多くの企業に取り入れられています。

 ▼ダイレクトリクルーティング・求人媒体・人材紹介の違い

ダイレクトリクルーティングと求人媒体・人材紹介の大きな違いは、企業が直接求職者にアプローチできる点です。

特徴
ダイレクトリクルーティング企業が直接求職者にアプローチ。
要件にあった質の高い候補者が得られる。
求人媒体企業が求人広告を出し、待つ形式。幅広い応募があるが、質はバラつく。
人材紹介専門のエージェントに求人を依頼。エージェントが適切な候補者を紹介。

求人媒体は、企業が求人広告を出し、応募者が自発的に応募してくれるのを待つ形式です。幅広い応募を受け付けるため、求職者の質がバラつく傾向があります。

広く応募を集めるのではなく、企業がターゲットを絞って要件に合う人材を探したい場合は、ダイレクトリクルーティングの方が向いているでしょう。

人材紹介は、人材紹介会社を仲介して候補者を紹介してもらい、その候補者の中から企業側が選ぶ形式です。人材紹介会社が事前に企業に合う候補者を選んでくれるので、ダイレクトリクルーティングと同じで候補者の質は高いでしょう。

しかし、人材紹介は成功報酬型で、採用した求職者の年収にもとづいて手数料が発生します。通常、年収の35%〜40%と言われていて、複数人採用すると費用が割高になってしまうでしょう。

これに対して、ダイレクトリクルーティングは費用対効果が高く、コストを抑えられます。詳しい解説は次のダイレクトリクルーティングのメリットで紹介します。

■ダイレクトリクルーティングを実施するメリット・デメリット

ダイレクトリクルーティングには、メリットもあればデメリットもあります。ここで紹介するメリット・デメリットを参考に自社に向いているかどうかを考え、導入するかを判断しましょう。

 ▼メリット

ダイレクトリクルーティングのメリットは、以下3点です。

  • 採用コストを抑えられる
  • 自社に合う人材を厳選できる
  • 資産性がある

  ●採用コストを抑えられる

ダイレクトリクルーティングは採用コストを抑えられるメリットがあります。一般的にダイレクトリクルーティングの費用は、人材データベースの利用料と成功報酬を合わせたものです。

継続して利用し安定した採用ができるようになると、人材紹介サービスよりも費用が安価に設定されているため、一人あたりの採用コストを抑えられるようになります。

さらに求職者に対するアプローチの回数制限がなく、複数の職種に対する採用も可能なので、より多くの求職者にアプローチし採用活動を効率よく進めることができます。

  ●自社に合う人材を厳選できる

ダイレクトリクルーティングは、直接求職者にアプローチができるため自社に合う人材を厳選できます。

人材紹介サービスも、人材紹介会社が自社に合う人材を選んでくれますが、採用した候補者の年収から紹介料を計算するので、高年収の候補者を優先的に紹介されることが多いでしょう。

しかし、ダイレクトリクルーティングであれば、年収の低い候補者や他の要因で魅力的な候補者を見落とすリスクが減るのです。

また、採用したい候補者が複数の企業の内定を持っている場合、他の企業と年収や条件の魅力度で競争が発生する場合がもあるでしょう。

ダイレクトリクルーティングでは、年収や条件面も求職者と交渉できるため、競合の他社に勝る条件を提示して採用できる可能性が高まります。

  ●資産性がある

ダイレクトリクルーティングは、社内の採用担当者が採用活動を実施します。それによって、採用ノウハウが企業の資産として蓄積されるでしょう。

外部の人材紹介会社などを利用せず自社内で採用活動を行うため、自社の求める人材を明確にする必要です。そのうえで「どのように求職者にアプローチをするか」「どのようなアプローチをしたら効果的か」を自社で考えなくてはいけません。

人材獲得競争が激しくなっている中、分析からアプローチまで全て自社で行うダイレクトリクルーティングによって得た採用ノウハウは、企業の資産となるでしょう。

 ▼デメリット

次に、ダイレクトリクルーティングのデメリットを以下3点紹介します。

  • 業務負担が多い
  • ノウハウが欠かせない
  • 結果が出づらい

  ●業務負担が多い

ダイレクトリクルーティングでは、スカウトをする候補者の選定・スカウトメールの作成・メールのやり取りなどの業務を全て自社でこなさなければなりません。よって他の採用手法に比べて、業務負担が多くなります。

またスカウトメールの返信率は一般的に数%といわれており、根気よくスカウトメールを送り続けることが必要です。候補者全員とやり取りを行うため、採用に時間がかかるのもデメリットです。

  ●ノウハウが欠かせない

ダイレクトリクルーティングを成功させるには、ノウハウやスキルが必要です。「求職者にどのようなアプローチをするか」「自社の魅力をどのように伝えるか」を考えなくてはいけません。

従来の「待ち」の採用方法とは異なるため、経験豊富で採用のノウハウを持った採用担当者が重要です。

  ●結果が出づらい

ダイレクトリクルーティングは、すぐに採用には結びつかないため結果が出づらいデメリットもあります。

自社で採用活動を行ってこなかった企業は、自社に合う人材を見つけることに時間がかかり、応募から実際の採用に至るまで一定の期間が必要です。

また、自社の理想とする人材を見つけても、求職者側に応募意思がなく、スカウトメールに対する返信率や応募率が低いときもあるでしょう。

ダイレクトリクルーティングは、成果を出すまでに時間と労力を要するため、需要の高い分野や競争の激しい市場で成功させるにはさらにスキルや戦略が求められます。

■ダイレクトリクルーティングを始める3つのポイント

ここまではダイレクトリクルーティングの仕組みやメリット・デメリットについて紹介しました。しかし、実際にどのように始めればいいかわからない企業も多いはずです。

ダイレクトリクルーティングを成功させるには、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 採用課題・目的を明確にする
  • 担当者を設ける
  • 中長期的な計画を立てる

 ▼採用課題・目的を明確にする

まずは、自社の採用課題を明確にして、課題解決にダイレクトリクルーティングが効果的かどうかを考えましょう。

自社の採用課題が母集団の「数」を増やすことなのか「質」を上げることなのか明確にし、最適の採用手法を見つけることが大切です。

ダイレクトリクルーティングは、母集団の「質」を重視する採用手法なので、候補者の「質」を上げることが課題の企業は導入を検討しましょう。

たとえば「応募人数は多いけど、なかなか自社の価値観に合う人材が見つからない」のような課題を抱えている企業は、ダイレクトリクルーティングを活用するメリットがあります。

採用課題を見つけるには、学歴、職歴、保有資格など採用基準を明確にしましょう。特に採用担当者が複数人いる場合、担当者によって採用基準がブレてしまうと候補者に一貫性がなく採用に時間がかかってしまう恐れがあります。

 ▼担当者を設ける

ダイレクトリクルーティングは、時間と労力がかかる採用手法です。そこで、専任の担当者を設けることで採用活動に集中し、効率的に進められるでしょう。

専任の担当者が経験を積むことで、採用ノウハウを得て最適な候補者の選定やアプローチ方法がわかるようになります。

担当者は、まず既存の人事部を中心に内部チームを結成しましょう。人事部は組織文化や採用活動に精通しており、企業内のコミュニケーションを円滑に行えます。

また、外部の採用エージェントやダイレクトリクルーティングの専門会社に対して、専任の担当者を委託するのも良いでしょう。外部担当者は専門知識と経験が豊富なため、スカウト、面接、交渉などの候補者との関係を構築する役割を果たします。

 ▼中長期的な計画を立てる

ダイレクトリクルーティングの中長期的な計画を立てる際、通常は3年から5年の期間を想定します。3年から5年という期間は、一般的に組織が成長するのに必要な期間です。

中長期的な計画は組織の規模、市場シェア、収益などの成長目標にもとづいて期間を設定しましょう。

ダイレクトリクルーティングを取り入れる場合、成熟度を高めるのに時間がかかります。また、市場状況が常に変化するため、計画に柔軟性を持ち、変化に対応できるように調整しましょう。

■ダイレクトリクルーティング媒体の選び方

ダイレクトリクルーティングを利用できる媒体は、数多く存在します。媒体によってサービスが異なるため、以下のポイントが自社に合っているか確認して選びましょう。

  • 予算内に収まっているか
  • 直感的に利用できるか
  • スカウトの返信率が高いか

 ▼予算内に収まっているか

まずは、ダイレクトリクルーティングの利用料金が、自社の予算に収まっているか確認しましょう。ダイレクトリクルーティングは、定額型成功報酬型の2種類の料金体系があります。

定額型は、月額や年間定額の形で料金を支払います。契約期間やプランの内容によって異なりますが、月間数百ドルや数千ドル以上になることが一般的です。

定額型の料金体系は、期間内に何通のスカウトメールが送れるか、または何人の候補者と連絡が取れるかが定められています。

成功報酬型は、採用が成功するごとに料金を支払う方法です。通常、採用した候補者の年収の30%〜40%程度を報酬として支払います。

報酬金額は、採用者によって変動するため予算内に収めるのが難しい場合もあるでしょう。

 ▼直感的に利用できるか

媒体を選ぶ時に、直感的に利用できるかは非常に大切です。使いやすい媒体を選ぶことで、より効率的に採用活動を進められます。

まずは採用担当者にとって操作しやすく、採用対象の候補者を探しやすい検索機能が充実している媒体を選びましょう。特にスキルや経歴で絞り込めると便利です。

利用する媒体を選んだら、デモやトライアルで実際に試してみて使いやすさを確かめると良いでしょう。

 ▼スカウトの返信率が高いか

スカウトの返信率が高いかどうかは、ダイレクトリクルーティングの成功に大きな影響を与えます。

返信率は業界や職種によって異なりますが、競争率の激しい分野の場合は返信率が低い可能性があるでしょう。目安として10%以上の返信率は、良いとされています。

スカウトの返信率を上げるには、候補者の興味を引くメッセージを送るかどうかが重要です。メッセージを送る時間帯や曜日、追加の連絡を送るタイミングも考えると返信率が向上することがあります。

■ダイレクトリクルーティング媒体を利用するときの注意点

ダイレクトリクルーティング媒体を利用する時は、短期的に考えず長期的な視野を持つことが大切です。なぜなら、データ収集や設計に時間がかかるからです。

求職者が高いスキルや価値を持つ場合、競争が激しく複数の企業からアプローチを受ける可能性が高まります。そのため、人材獲得の成功には、自社内で独自の採用戦略や適切なアプローチ方法を開発する必要があります。

ダイレクトリクルーティングは比較的新しい採用手法であり、多くの企業がそのノウハウを持っているわけではありません。徐々に試行錯誤しながら、自社に最適な運用方法を見つけ出すプロセスが重要です。

■ダイレクトリクルーティングの成功には媒体選定が重要

ダイレクトリクルーティングの成功には、媒体選びが非常に重要です。ターゲットの特性に合った媒体を選ぶことで、効率よく採用活動を進められます。

また、データの分析やリサーチが欠かせません。返信率や媒体の登録者数・市場や競合の分析を行うことで、どのような媒体が最も効果をあげるのか、他の企業がどの媒体を利用しているのかを把握し、採用成功率をあげられるでしょう。

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