「ダイレクトリクルーティングで新卒採用を成功させたい」
「費用対効果を高めたい」
「ダイレクトリクルーティングのポイントを知りたい」
といった悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか。
近年、新卒採用に力を入れる企業が増えており、自社が求める人物像を採用するのが難しくなっています。求人広告では、母集団形成をするのも困難になっているのも事実です。
ダイレクトリクルーティングは求人広告と違い、求職者に直接スカウトメールを送れるため、求める人物像を採用できる可能性が高まります。
そこで本記事では、ダイレクトリクルーティングを利用するメリットやデメリット、ポイントなどについて詳しく解説します。
新卒採用でダイレクトリクルーティングを検討している企業は、ぜひ参考にしてください。
■ダイレクトリクルーティングとは
ダイレクトリクルーティングとは、企業側から求職者へ直接スカウトする採用手法です。従来の採用手法は、求人広告を活用し「待つ」姿勢が一般的でした。
しかし、売り手市場が加速していることから、待つ採用では企業が求める人物像を採用するのは困難になっているのも事実です。新卒採用でよく使われる手法として、説明会などがありますが開催後のアプローチも重要となっています。
ダイレクトリクルーティングを活用すれば、自社が求める新卒採用ができる可能性が高まります。ただし、ダイレクトリクルーティングは良い部分だけはありません。
ダイレクトリクルーティング手法を利用するかは、メリット・デメリットを総合的に比較したうえで検討しましょう。
■ダイレクトリクルーティングを新卒採用で利用するメリット・デメリット
それでは、ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
ダイレクトリクルーティングを実施するポイントをすぐに知りたい場合は、後ほど解説する「新卒採用でダイレクトリクルーティングを実施する7つのポイント」をご覧ください。
▼メリット
ダイレクトリクルーティングのメリットは、以下のとおりです。
- 採用単価が抑えられる
- 潜在層にアプローチできる
- 入社後ミスマッチの可能性を減らせる
●採用単価が抑えられる
ダイレクトリクルーティングのメリットの一つは、採用単価が抑えられることです。以下の採用手法に分けて単価を比較してみましょう。
ダイレクトリクルーティング | 30~50万円/人 |
求人広告 | 50~200万円 |
成果報酬型 | 40~100万円/人 |
以上のように、ダイレクトリクルーティングは他の採用手法に比べると、比較的にコストが抑えられます。「採用コストを抑えたい」企業は、ダイレクトリクルーティングを活用するメリットがあるでしょう。
●潜在層にアプローチできる
潜在層にアプローチできるメリットは、入社率が高くなることです。求人広告や人材紹介を利用している求職者は、就職する意欲が高く他社も検討しています。
一方、求人広告などを利用していない新卒は、まだ企業を探していないため、自社を一番に見てくれます。競合よりも早くアプローチをすれば、求職者をいち早くグリップできるはずです。
ダイレクトリクルーティングでは、潜在層に対してもアプローチができるので、競合他社よりも優秀な人材を採用できる可能性を秘めています。
●入社後ミスマッチの可能性を減らせる
ダイレクトリクルーティングは「採用したい」と思った求職者にスカウトを送るため、企業側からのミスマッチを防止できます。求職者も興味・関心を持てばスカウトに返信を送り、選考へと進める流れです。
ダイレクトリクルーティングでは、一方的な意思のもと選考を行うのではなく、お互いが興味を持った状態で実施します。
その上で選考を行い、さらに厳選をするので、入社後ミスマッチの可能性を極限まで減らせるはずです。就職後の定着率が高くなれば、採用コストを無駄にしないで終わるだけでなく、外部からの評価もあがります。
中長期的に考えれば、より少ないコストで入社後ミスマッチを予防しながら採用活動ができるようになるでしょう。
▼デメリット
ダイレクトリクルーティングのデメリットは、以下のとおりです。
- 作業工数がかかる
- ノウハウが求められる
メリットだけを見て始めてしまうと、利用後に後悔するかもしれません。「活用して良かった」と思える新卒採用にするためにも、ダイレクトリクルーティングのデメリットも理解したうえで実施しましょう。
●作業工数がかかる
ダイレクトリクルーティングは、作業工数がかかるのがデメリットです。求人広告のスカウトメールは、ある程度のターゲットを絞り込めば、まとめて送信できます。人材紹介は自社に適した求職者を見つけてくれるため、探す工数が削減できます。
一方、ダイレクトリクルーティングは一人ひとりにスカウトメールを送信するため、作業工数が必要です。また、メールの定型文を作れますが、自社に興味を持ってもらうには求職者に適した内容に変更する必要があります。
作業工数が増えてしまう、他の業務に時間を避けないので、ハードワークになるかもしれません。ダイレクトリクルーティングを実施するときは、専任の担当者を準備するなどの対策が重要になるでしょう。
●ノウハウが求められる
ダイレクトリクルーティングでは、簡単に採用できるとは限りません。なぜなら、自社に興味・関心を持ってもらうような内容のメールを送る必要があるからです。
ダイレクトリクルーティングから内定に至るまでの工程を可視化してみましょう。
- メール文を作成
- 自社が求める人物像に送信
- 求職者がメールを確認
- 求職者がメールを開く
- 興味を持ったら返信
- 面談・面接日程の確保
- 選考
- 内定
以上のように、ダイレクトリクルーティングから内定までには多くの工程があります。特に、スカウトメールを見てもらえる可能性は10%もありません。
また、さまざまな企業からスカウトメールを受け取っている可能性もあるので、自社にしかない魅力を伝えアピールすることが大切です。
このように、新卒採用でダイレクトリクルーティングを成功させるには、各工程におけるノウハウが必要です。しかし、すぐに理解でき実施できる手法ではないため、自社なりのやり方を見つけるには時間を要するでしょう。
■新卒採用でダイレクトリクルーティングを実施する7つのポイント
新卒採用でダイレクトリクルーティングを実施するポイントは、以下のとおりです。
- 採用課題・目的を明確にする
- 媒体選定は料金・機能性を確認する
- 中長期的な計画を練る
- 内部情報もアピールする
- PDCAを繰り返し運用する
- 特別感を与えるスカウトメールを送る
以上のポイントを一つずつ丁寧に実施できれば、ダイレクトリクルーティングを成功へとつなげられるでしょう。
▼採用課題・目的を明確にする
ダイレクトリクルーティングを実施するポイントの一つは、採用課題・目的を明確にすることです。企業によって抱えている課題は違うため、ダイレクトリクルーティングで解決できるかを確かめます。
たとえば、特定のスキルや企業文化への適合性が高い人材の確保があげられます。ダイレクトリクルーティングを効果的に行うためには、自社が持つ課題や目的を明確にし、採用プロセスを構築することが重要です。
また、採用課題・目的を明確にできれば、どのような人物像を採用すればいいのかも把握できます。このように、採用プロセスでの焦点や目標を定められれば、効率的かつ効果的な採用活動を行えるはずです。
さらに、求職者に対しても明確な情報提供ができるため、企業の魅力や求める人物像を明確に伝えられます。
ダイレクトリクルーティングは、企業が求める人材を選定するために行う手法であり、求職者とのコミュニケーションを円滑進めるための手法です。ダイレクトリクルーティングの効果を最大限に引き出すためには、まず採用課題・目的を明確にする必要があるでしょう。
▼媒体選定は料金・機能性を確認する
ダイレクトリクルーティングで活用する媒体選定は、料金・機能性を確認しましょう。媒体選定は、求職者にアプローチするための重要なステップです。
自社との相性が悪い媒体を選んでしまうと、適切なアプローチができないかもしれません。採用担当者は媒体を選定する際に、料金や機能性といった要素を慎重に考慮する必要があります。
媒体選定においては、媒体が提供する広告掲載の料金体系を理解することが重要です。料金は広告掲載の費用を示すだけでなく、掲載期間・形式なども含めて検討する必要があります。
また、媒体ごとに異なる料金体系を比較し、予算内で最も効果的な広告掲載ができる媒体を選択することが重要です。
さらに、媒体の機能性や特徴も欠かせないな要素です。掲載される広告の目立ち具合や情報の充実度、採用担当者が求職者とのコミュニケーションを取りやすいかどうかなど、媒体の機能性を評価することが大切です。
特定の媒体が求めるターゲット層にどれだけリーチできるか、また、求職者にとって情報を得やすい形式で提供されているかといった点も確認すべきです。
ダイレクトリクルーティング媒体の料金と機能性を確認することにより、採用担当者は広告掲載のコスト効率や効果的な採用活動を行うための選定ができます。
適切な媒体の選択は、求職者の関心を引きつけ、優秀な人材の獲得につながる重要な要素となるでしょう。
▼中長期的な計画を練る
中長期的な計画を練るのも、ダイレクトリクルーティングを実施するときのポイントです。採用戦略を中長期的な視点で立てることは、企業が将来的な成長を遂げるために重要な要素となります。
特に、ダイレクトリクルーティングはすぐに結果が出る手法ではないため、予測を踏まえた中長期的な経過うが必要です。
中長期的な計画を立てるときは、企業の成長戦略やビジョンを踏まえた人材のニーズ分析が必要です。企業の成長計画に合わせて、将来的に必要とされる人材のスキルや能力、志向性などを明確にし、その人材像に応じた採用計画を策定することが重要です。
また、競合他社の動向や市場の変化を踏まえた人材需要の予測も行うことで、中長期的な採用計画をより効果的に立てられます。
さらに、中長期的な計画を立てる際には、人材の育成やキャリアプランニングにも配慮する必要があります。新卒採用だけでなく、採用した人材の定着や成長を図るための教育プログラムやキャリアパスの整備が大切です。
求職者としても、入社後に整備された研修制度あれば、安心して就職できます。スカウトメールの文面にも、研修制度について詳しく記載があれば、競合他社との差別化にもつながるはずです。
中長期的な計画は、ダイレクトリクルーティングを成功させるために欠かせません。企業・求職者の双方にとってもメリットがあるため、ダイレクトリクルーティングを実施する前は、中長期的な計画を練るようにしましょう。
▼内部情報もアピールする
ダイレクトリクルーティングで内部情報もアピールする理由は、求職者の不安要素を解決するためです。
内部情報とは、企業文化や働く環境、社内の取り組みなど、外部からはわかりにくい企業の魅力・特徴です。内部事情を積極的にアピールすることで、優秀な人材を引きつけ、採用につなげられます。
また、新卒者は初めて社会人として活動するため「不安」「悩み」を抱えているはずです。採用担当者は自社の都合だけでなく、新卒者の気持ちも理解する必要があります。そのためには、内部事情をアピールすることが重要です。
内部情報をアピールするときは、企業の特色や文化、働き方などを明確に伝えることが大切です。企業のミッション・バリュー・行事・活動方法、社員間のコミュニケーションなど、社内の雰囲気や風土を正確にアピールできれば、志向性に合致する人材を惹きつけられます。
また、社員の声や取り組みの事例を通して、実際の社内の様子を具体的に伝えれば、応募者が企業に対するイメージをより具体的に持てるでしょう。
さらに、企業が掲げるビジョンや成長戦略についても明確に伝えることが肝心です。新卒者は入社後「この会社でうまく成長できるかな」と不安を抱えています。企業の将来の展望や成長計画、社会貢献活動などを示すことで、将来的に成長できる可能性・社会への影響力のアピールが可能です。
新卒採用で自己成長意欲の高い志向性のある人材を惹きつけるには、企業の成長性や社会的な意義についてもアピールする必要があります。他社にはない自社だけの内部事情をアピールできれば、興味・関心を与え、採用につなげられる可能性が高まるでしょう。
▼PDCAを繰り返し運用する
ダイレクトリクルーティングでは、PDCAを繰り返し運用することが大切です。その理由は、徐々に改善し自社に適した方法を見つける必要があるからです。
ダイレクトリクルーティングは決して簡単な手法ではありません。しかし、ダイレクトリクルーティングの方法をしっかりと理解し、最大限に活用できれば、低コスト自社が求める人物像の採用に近づけます。
そのためには、常にPDCAを回し、何が良くて何が悪かったのかを分析・改善するようにしましょう。
▼特別感を与えるスカウトメールを送る
ダイレクトリクルーティングでは、特別感を与えるスカウトメールが大切です。ダイレクトリクルーティングのメリットは、求職者に対して一人ひとりに合った内容を送れる点です。
せっかく一人ひとりにスカウトを送信できるのに、同じような定型文を送ってしまっては求人広告と同じになってしまうでしょう。
ダイレクトリクルーティングを最大限活用するには、特別感を与えられる内容が必要です。特別感は自社の福利厚生や給与、他社にはない働き方など、さまざまな点があげられます。
「他社には負けない」という部分は、自社にしかない強みです。その点をアピールし「あなたにしか送らない特別なオファーです」などの内容を伝えれば、特別感を与えられるでしょう。
▼カジュアル面談を設ける
ダイレクトリクルーティングを通じてカジュアル面談を設ける理由は、新卒者の不安や緊張を和らげ、自社に興味を持ってもらうためです。
新卒者はまず「この会社は本当に大丈夫か?」と疑いの視点から確認します。この疑いや不安を解消できなければ、内定を出しても入社してくれるないでしょう。
カジュアル面談を通じて自社についての情報をさらけ出せば、疑いや不安を少しずつ解消できるはずです。外部情報だけで認識できる内容を伝えても、新卒者の想いを変えるのは困難です。
そのため、ダイレクトリクルーティングを通じて、いきなり選考を始めるのではなく、カジュアル面談を実施してからでも遅くはないでしょう。
■新卒採用でダイレクトリクルーティングを行う注意点
慎重にダイレクトリクルーティングを行うときは、時間が必要である点を抑えておきましょう。いきなり始めてもノウハウがないため、すぐに結果を出すのは困難です。
どのくらいの工数をかければ採用できるのかを知るためにも、中長期的な視点が欠かせません。ダイレクトリクルーティングをものにできれば、企業としての重要な資産となるので、焦らず進めるようにしましょう。
■ダイレクトリクルーティングによる新卒採用はミスマッチが予防できる
新卒採用でダイレクトリクルーティングを実施するメリット・デメリットをまとめましょう。
メリット | デメリット |
採用単価が抑えられる潜在層にアプローチできる入社後ミスマッチの可能性を減らせる | 作業工数がかかるノウハウが求められる |
ダイレクトリクルーティングを活用する企業の中で「すぐにでも結果を出したい」という場合は、以上のデメリットからあまり推奨できません。
一方、少しずつ自社なりの採用手法を定め「中長期的な計画を練って進めたい」企業は、ダイレクトリクルーティングをおすすめします。
ダイレクトリクルーティングは企業によって相性が異なるはずです。自社に適した内容なのかを把握することで、納得して活用できるでしょう。